【R6 vol.3】若い世代の熱量とAIの行方
12月に入り、一気に冬らしい気温になってきました。恵比寿GPにもバカラのX’masツリーが飾られ、年末進行を実感します。横断施策やタレントコラボ、新作コミック、新作コンシューマーゲーム、それぞれ動きの多い月ですが、引き続き頑張っていきましょう!
さて、11月はリアルイベントが相次ぎ、僕も東さんと一緒に池袋のAGF、そして渋谷の六本木SN潜入部イベントに参加させてもらいました。また、ゲーム業界やボルテージについて、二つの大学で続けて講演する機会がありました。
AGFや潜入部イベントでは、ユーザーさんと同じ空間で一緒に盛り上がる、運営側としても貴重で楽しい時間でした。皆さんがつくった作品やキャラクターに対して、目の前で喜んでくれる方々を見ると、改めて「この仕事の価値」を実感します。
大学講演で見えた若い世代の興味
今回は、講演の方の話を少し詳しく書いておきます。講演は、経営学部と造形学部というまったく違う学部の授業の一環だったので、それぞれ内容を切り替え、経営フレームの話と、制作プロセス・向いている人物像などを説明しました。二つを通して共通していたのは、若い世代の「ゲーム業界・制作企業」への関心の高さ、そして「AIがどこまで仕事を変えるのか」への強い興味でした。質問タイムでは、どちらもかなり積極的に手が挙がりました。
とりわけ、ゲーム業界への人気は僕の想像以上に高いものでした。
今、アプリゲーム市場は厳しいフェーズに入っていますが、若い世代は「自分のクリエイティビティが生かせる場所」を本気で探しています。そして、ゲームや物語づくりは、もっとも“自分のアイデアが形になる”分野だと考えている。
同時に、この業界は社会的にも存在感が高まり、働く場としても魅力が増している。「この業界に強い興味がある」という声を直接聞くと、我々は、外から見れば“憧れの存在”なんだということを強く実感しました。思い込みすぎかな?
僕の経験では、アプリ業界はあと何年かで再成長フェーズに入る可能性が高いと思いますが、その時に必要とされるのは、技術やプラットフォームの変化を怖がらず、前向きに吸収していく組織と人材だと感じました。
AIの影響と若い世代へのメッセージ
AIの話題では、「制作工程のどこまでAIが入り、何が置きかわるのか」という質問が多かったです。僕の回答としては、AIはLLM(大量言語モデル)がベースなので、文章生成、翻訳、プログラミングには強い反面、生成された画像や動画の正式採用にはまだ手直しが必要で、採算性が厳しい点。一方、AIの活用範囲は現時点では効率化が中心だが、いずれは「ユーザーごとに演出や物語が変わる体験」など、新しい遊びを生み出す方向に進むだろう、という見通しを伝えました。
教授の方から、「学生には素手でやらせるべきか」「AI活用を前提にさせるべきか」という質問もありました。僕の考えでは、今後の若い人は「AIを使いません」ではなく、「AIを使いこなして、より質の高い作品をつくれます」と言える方が絶対に強いと思います。インターネットもSNSもそうでしたが、新技術は最初の頃は“使わない方が偉い”と言われますが、すぐに“使えないと話にならない”に変わります。この変化は、ここ10年でも何度も見てきました。若い世代こそ積極的に取り込んでいってほしいと思います。
大学節目同窓会と紅葉ツーリング
プライベートでは、大学主催の卒業節目同窓会(卒業10年・20年…。僕は40周年)に参加し、東大総長とも少しお話しさせてもらいました。僕より数年下の世代ということで、時の流れを感じるとともに、感慨深いものがありました。
家族とは、天気のいい秋の日に、バイク組と車組に分かれて八王子の奥の宮ケ瀬湖へ紅葉ツーリングに行きました。バイクも、安全運転に気をつけながらですが、娘や息子と楽しんでいます。
年末まであと少し。体調に気をつけながら、一つひとつ着実に進めていきましょう。


