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会社改革の500日


【R2 vol.7】人々の「生活を盛り上げる」

2020/02/04

 

リアイベに集まる女子。物語は彼女達の生活を盛り上げるために。

 
昨年は十数回の舞台イベントを開催した。会場ロビーに足を踏み入れるたび、目に飛び込んでくるのは、おめかしした女子達のウキウキした様子だ。
オフィスで、ゲームのプレイ状況を示すデータを眺めることはよくあるが、そうした数字だけでは掴めなかった彼女たちの生のワクワク感が、舞台会場に足を運ぶとリアルに感じる。こちらも幸せな気分になる。そして、つくづく思うのが、物語コンテンツは観る人の『人生や生活を盛り上げる』ためにあるということだ。
 
 

物語が生活のリズムや張り、楽しみや励ましに。

 
開催が発表されるのは舞台本番の2ヶ月前。彼女たちは、チケットを申し込み、その日をずっと楽しみに待ってくれている。仕事や生活でのしんどいことも舞台を楽しみに乗り越える。SNSやアプリの書き込みを見ると、その期待感が良くわかる。

自分を振り返っても、観たい映画の封切を楽しみにしたり、家族で連ドラを楽しんだり。『グランメゾン東京』放映の頃は、週末の夜のリズムになっていて、見終わると子ども達もすっきりし、後片付けや宿題、大人は仕事の残りに流れる。頭を絞ってドラマをつくる作り手たちに感謝したものだ。
 
 

作って嬉しい、から、喜ばせたいへ。

 
思えば、この事業を始めた20年前は、コンテンツを作っているだけで楽しかった。ヒットとなり多くの人に見てもらえると、それだけで嬉しかった。しかし今は、ユーザーさんのリアルな満足が見たい。彼女たちが、心の底から楽しんでいるか? 生活の盛り上げに貢献できているか、気になる。作り手としてのプロ意識が一段上がったつもりでいる。

舞台イベントを初めて2年が経つが、裏方スタッフ達も真剣に取り組み、上手くなってきた。お客の笑わせ所があり、朗読劇では声優の声の力に客席全体がシ~ンと聞き入る。読み上げる台詞を制作・選定するスタッフも気が抜けない訳だ。昨年最後の舞台では、ついに空席一つ見当たらない超満員となった。
 
 

物語は、生きる意味を考えさせる。

 
最近読んだ本にこうあった。人々の関心毎は、生活の豊かさによって異なる。貧しい国の人々の頭にあるのは、今日、いかに食べ物にありつくか、ということ。中進国の民なら、生活を豊かにするためどんな車や家電を買おうか、ということ。ところが先進国だと、そんなことは心配に当たらない。悩みはもっと高度になる。職業も結婚も自由。だから、却って生きる意味や意義を見出そう、見出せないと悩む。物語は、そういう豊かな社会でこそ大きな力を発揮するのではないか。幅広く深い物語を提供していきたい。

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