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【R4 vol.11】長く楽しめる物語

2023/12/11

 

イベント2つ。ボル恋16年、六本木8年

 
11月は大きなリアルイベントが2つあった。有楽町でボル恋「婚姻届」イベント、豊洲で六本木サディスティックナイト「朗読劇&ライブ」。各々、16周年と8周年。ユーザーさんが盛上っているのを見るとこちらも元気をもらうが、同時に、今後も長く楽しんでもらえるよう重大な責任も感じる
 
物語を10年続かせるのは難しい。ストーリー作りには、日頃、ボルの面々も苦心していると思う。10年超となる「王子様のプロポーズ」の新展開「ゼロ編」は好評なようで何よりだ。
 
さて、映画の世界でも最近は長期シリーズが多い。CGや派手なアクションにかかる高コストの回収確率を高めたいのだ。長続きの工夫をみてみたい
 

超人ヒーロー映画のリブート&箱推し

 
マーベル・シネマティック・ユニバース(MCU)。90年代後半、経営危機に陥ったマーベル社は、「出版業→IP活用」という業態転換を経て、2000年代、7年で10本の映画をつくる計画に社運をかける。IPを担保にメリルリンチから5億ドルを調達し、MCUを始動したのは有名な話。
 
現実には、『アイアンマン』2008から『スパイダーマン:ファー・フロム・ホーム』2019まで、単体ヒーロー作が18本、全員集合のアベンジャーズ編が5本、計23本つくられ、ほぼ全てが大ヒット。
 
①2軍キャラを、現代風に再構築。バリエーションが広く、箱推しさせる魅力が出せた。
アベンジャーズは、もともとは古く売れてない2軍キャラ群だったが、現代的にアレンジされたことが大きい。象徴的なのがトニー・スタークで、自己顕示欲が強調されラストシーンでは「私がアイアンマンです」と衝撃の暴露。アドリブが採用されたそうだが、それが鮮烈で、その後のヒーローもグッと現代風になった。
 
キャプテンアメリカは生真面目男で「オレの正義は本当に正しいか」ずっと重苦しい。ガーディアンズはヒーローらしからぬチャランポランなダメ男ユニット。2軍だからと、現場のクリエーターにキャラ変の裁量が与えられていたらしい。
 
実は1作目をアイアンマンから始めるのは予定外だったそうで、それが大ヒット。2作目のハルクがコケて先行きが危ぶまれたが、アイアンマン2のヒットで軌道に乗った。アイアンマン人気が牽引し、振り幅が大きい仲間たち全体を観たくなる。
 
②ヒーロー達が同じ世界に共存:マーベルユニバース構造。壮大な世界観に身を浸せ、没入感大。
慣れてしまえば当たり前だが、最初観た時はこんな展開やっていいのかと驚いた。互いの単体映画に登場し合う「クロスオーバー」手法だ。アイアンマンとキャプテンアメリカが酒を飲んだり、仲たがいし高層ビルを破壊しつくす。
 
アベンジャーズでは、ヒーロー10体超が出演し、それぞれの細かな描写はないが、生い立ちや苦悩を単体映画で観ているので感情移入に問題はない。アベンジャーズ編は、単体連作で盛り上げた頂点で公開され、単体の2倍の収益を上げた。
 

スパイ映画で、弱み持つ人間の人生展開 (就業秘話・結婚・離別・引退・復帰)

 
「007」シリーズや「ミッション・インポッシブル」シリーズも10年超だ。特に007は、6人目ボンドとしてダニエル・クレイグが起用されると、「単純な懲悪モノ→人間臭い007」と路線が変わった。
完全無欠の凄腕ではなく、アルコール依存症や体力の衰えも描く。MI6(英国情報局秘密情報部(SIS, Secret Intelligence Service)の通称)復帰の体力テストを受けるのだが不合格で、お情けで雇ってもらう。結婚のため引退したりも
 
等身大の人間としての悩みがシリーズで描かれる。『カジノ・ロワイヤル』2006から『ノー・タイム・トゥ・ダイ』2021まで15年5作で、スパイ就業の経緯、真の恋愛と結婚/離別、仕事の大義、引退、親子関係がテーマに。
 
なぜ、その危ない仕事(MI6の殺し屋)になったのか。子供のころの記憶や父親との関係。
重要な女性とどう出会い、関係をどう続けるか。知らない間に子供ができてしまう。
何のために危ない仕事を続けるのか。組織に失望し、私欲に走った元同僚と対峙。命を懸け国を守ることの意味を自問する。
 

大きな物語の上に、毎回の事件が乗った2重構造

 
毎度の戦いが進みながら大きな背景も少しずつ進む。数年がかりで大きな物語は、次の展開へ。
 

休日2回転と父親の会

 
週末は、東さんと次男の3人でテニス、ゴルフ、釣りのグルグル回している。以前は1日ひとつが限界だったのに、慣れもあってダブルヘッダーが常態化。早朝、東京湾岸で4時間の釣り(僕は半分、芝生寝)のあと、千葉へ移動しゴルフのハーフラウンドか都内のテニスコートで2時間。足がもつれる。中学生の次男は元気いっぱい、汗もかかず「別に。なんとも」と言う。なんか憎たらしい。
 
長男が通う高校の「父親の会」に参加した。200人が集い、前半は先輩父親4人のパネルディスカッション。思春期の息子との関わり、受験の乗り越え体験が話される。後半はグループに分かれ、ビール片手に懇親会。
 
思えば昭和時代、父親は怖い存在で僕もフランクに話した経験はほとんどないが、今はどこの家族も友達みたいに進路から彼女話まで話すようだ。息子とサシ話の機会を積極的に設け、月イチ外食や小旅行を試す、といった人が多かった。会社の1on1と同じ。家族だって別人格同士、コミュニケーションの努力?は欠かせないか。
 

 
 

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