津谷祐司 公式サイト

会社改革の500日


【R4 vol.13】コロナ前後で変わったこと

2024/03/12

 

コロナ禍の変化で残ったものは?

 
コロナ収束から1年経過し、世の中のリベンジ行動も一巡、落ち着いてきた。あまたの激変が起きたが、コロナ前に戻ったものも、変わったまま残ったものもある。結局、コロナ前後の生活で何が変わったか?生活の過半を占める「働き方」と、「プライベート」面で整理したい。
 
 

「働き方」は、在宅ワークが変化の起点。 プライベート時間、やや増へ。

 
変化の要は「テレワーク」。コロナ後、オフィス回帰が進んだが、去年のハイブリッド勤務は3~5割(統計による)だそうだ。感染症が消えても続いているのはワークライフバランスが現代のニーズに合致しているからで、今後も、仕事のやり方、住宅事情、子育て・介護は進化するはずだ。
 
仕事を進める上で問題となるのは、在宅の日数。海外のある研究では週2日が最適という。1日では準備の手間がメリットを上回り、3日では仲間との関係性が希薄化し、孤独感、生産性低下につながるそうだ。僕の実感も同様で、ボルでは4→3→2日と試してきたが、現状の2日在宅が最適と感じている。
 
エンタメ企業ならではの功罪もある。メシの種は各チームの発想や工夫だが、それは立ち話や雑談、試しの小制作から生まれるものだ。社内チャットやTV会議では発生し難く、同時にオフィスにいたり、共にリラックスする瞬間が欠かせない。個人作業に関しては、在宅の方がはかどるのは僕も実感する。時には楽しく制作作業にのめり込む事も大切だろう。だが、作業が定型で大量なら、コンパクト化を図ったり外注化の検討も必要だ。オフィス勤務とのバランスを話し合っていきたい。
 
さて、生活への最大影響はプライベート時間の増加だろう。禍中には生活との境目を感じにくく過重労働が多発というニュースもあったが、今は慣れ、プライベート時間はコロナ前より増えているそうだ。通勤2日分減を考えると平日1時間は浮く計算。小さくはない。使い道は仕事・研鑽、家事・子育て、リラックス・遊びなど様々だろう。
 
 

「メディアとの付き合い」が変化。新しい活動への欲求→「Howto動画」を能動選択

 
メディアに向かう時間が1日30分増えた、という調査があった。僕の場合は、TVやネット閲覧はさほど変わらないがYoutubeを見る時間が増えた。コロナ初期のストレッチ・軽い筋トレ・簡単な料理から始まり、車の買い替え時はマニアの試乗レポート、今はテニス・ゴルフの練習方法など。東さんは釣りの実況動画だ。何かやろうとすると、Youtubeを探すことが増えた。
 
Youtubeも変化していてショートやライブ動画が人気だが、実は長尺の中身が、芸能/スポーツ/バラエティ中心→Howto動画充実、と地味にシフトしているんじゃないか?Howto系は元々多かったのかもしれないが、「プライベート時間増→何か面白い事始めたい」という状況下で閲覧が増え、広告が廻り、発信数も内容も充実したのかもしれない。
 
ネットを調べたら、案の定そういう分析が出ていた。出元が前職の広告会社だったので視点が同じかと笑ってしまったが、新しい行動へのきっかけとして、『TV的な受動視聴→目的持ってHowto動画を能動選択』する人が増えているという。新しい挑戦を考えると、前向きな気持ちになれることも後押ししているそうだ。
 
 

北欧的バランスへ?

 
北欧のライフスタイルは、「仕事は超効率で残業なし&夕方は地元でコミュニティ、ボランティア」といわれる。仕事の効率化が数十年にわたり国家ぐるみで追及された結果だという。日本でもテレワークを契機に、ワークライフバランスが改善され社会のアップグレードとなることを期待する。
 
(参考文献)
・NTTドコモ: モバイル社会研究所 2023年次世代ライフスタイル調査
・ネクストレベル: アフターコロナの働き方調査
・五十畑浩平: 新型コロナが進展させた働き方の変化
・博報堂DYメディアパートナーズ メディア環境研究所: コロナ禍で変わったこと・変わらなかったこと
・ビデオリサーチ: VR FORUM 2022 レポート コロナ禍を経た生活者の変化
・クロス・マーケティング: オンラインエンタメコンテンツの利用変化に関する調査
 
 

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