【R5 vol.9】「俺が世界を救う」――そのばかばかしさに泣けてくる

封切初日、『ミッション:インポッシブル/ファイナル・レコニング』を観た。
世界の命運が、たった一人の男――イーサン・ハントに託される。崖からバイクで飛び、空中でパラシュートを開く。複葉機の翼にしがみつき、沈没した潜水艦に潜り、水中でAIとにらみ合う。
……やりすぎだ、もう笑うしかない。
それでも、とても面白かった。
ストーリーは、過去の因縁や陰謀が絡み合って複雑に見せているが、芯はいたってシンプルだ。悪のAIが世界を滅ぼそうとしており、それを止められるのは、なぜかイーサン・ハントただ一人。すべてが彼に託される――それだけの話だ。でも、観客の心をガシッとつかんで離さない。その理由は、やはりトム・クルーズの「本気」にある。
僕と同じ年齢ということもあり、親近感がある。60歳を超えてなお、全スタントを自らこなす。崖を飛び、空を翔け、深海に潜る。演技というより、もはや命がけの挑戦だ。実際、前作ではビルに飛びつき損ね、足首骨折という大ケガもしている。
いまの世界は、“たたき合い”の時代だ。少しのミスも許されず、即断罪。SNSで炎上し、誰もが失敗を恐れて動けなくなる。そんな空気の中で、イーサン・ハントはこう言う。「俺がやる」と。
世界がどうであれ、ルールがどうであれ、自分が信じたことを、自分の手でやる。――『世界を救えるのは、俺しかいない』のだから。その力みは、ばかばかしいほど真剣だ。
最初はちょっと笑ってしまうのだが、観ているうちに、その覚悟の深さに胸が詰まり、泣けてくる。
何千人ものスタッフ、400億円の予算が動くなか、画面の中心で命を懸けているのは、たった一人。その意志の凄みに圧倒される。
一人の本気が、世界を動かすこともある。僕らの仕事もまた、そういう一瞬の積み重ねだ。
葉山の海、ゲストハウス。そして、昔失効したバイク免許に再チャレンジ。そんなGWでした。
ゴールデンウィークは、東さんのご両親に招かれ、大人6人、孫6人で、鎌倉の素敵なゲストハウスに滞在した。もとは誰かの別荘だったらしく、改装されてレンタル物件になっている。湘南の海を高台から見下ろすその家には、小さなプールや地下のカラオケルームがあり、3世代がそれぞれが思い思いに楽しんだ。
早朝は、葉山の海岸まで釣りに出かけた。さわやかな潮風が心地よい。最近のIT長者たちは、葉山に別荘を持つ人も多いと聞くが、白い短パンに白いスニーカーを履いたシニアが、小さな犬を連れて砂浜を歩いていた。
都心で働いていると、皆さんも同じだろうが、時間も頭の中もぎゅうぎゅうに詰まってしまう。だから、こんな場所の“余白”が本当にありがたい。