津谷祐司 公式サイト

サンフランシスコなう


小学校のバスケ試合で叫びっぱなし

2016/02/24


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3か月ごとにサッカーやバスケを楽しむプログラム
 うちの子供たちが通う小学校に、スポーツプログラムという課外活動がある。放課後にスポーツを楽しむもので、先学期がサッカー、今学期はバスケと、3か月の学期ごとに種目が変わる。他に野球やバレーボールもあり、1年フル出場だと4種目を体験できる。ほとんどの子供が初級者なので気軽に参加でき、子にも親にも人気のプログラムだ。
 
 練習は週に1,2回。毎週土曜日は試合が組まれていて、カトリックリーグの他校と対戦。学期の最終週、勝率上位4校に残っているとプレイオフに進み、追加の2試合を戦い抜く。
 
 うちは私立だが、公立小学校では予算カットのせいでこの手のプログラムがない。逆に、私立にとっては目玉施策の一つだ。学校側も盛り上げてくれ、学期始めにはプロの写真屋を呼び各員のユニフォーム姿を記念撮影。学期末、優勝でもすると、朝礼で熟年の女性校長がシャウト。「4年生の男子バスケ、優勝!イェー!」 列前で喝さいを浴びる。
 

週2回の練習で、コーチは微妙なお父さん
 コーチを務めるのは、学校の先生でなく父親。ボランティアをかってでた2,3人の父親が組になり、練習と試合を先導する。平日夕方の練習など、どう考えても仕事の調整が大変そうだが、アメリカの父親は我が子にスポーツを教えるのが夢だという。しかし、男のやることはどの国でもアンバランスなようで、微妙なコーチが多い。
 
 うちの次男が野球をやったとき、コーチは交通機動隊の警官パパだった。練習日の放課後になると、ドッドッドッと排気音を轟かせ、どデカい白バイで乗り付けてくる。レイバンのサングラスを外して練習開始。身長190cmの巨漢を制服とロングブーツに包んだまま、グラウンドに膝立てし、1年生相手にちょこん、ちょこんと小さなトスを投げ続ける。「ナイスバッティン!」 笑顔でコーチを務め、一時間後、再び白バイに跨り、走り去る。勤務がどうなってるのか怖くて聞けない。
 
 バリバリの体育会系コーチもいた。長女のガールズ・バスケのときで、元バスケ選手だったそう。日頃はにこやかなパパなのに、「声出しが小さい!」などと怒鳴りまくるそうだ。小学6年の女子相手にちょっと力みすぎじゃない?何週目だったか、疲れで練習に出ない子供が続出したときは、怒りに震え「今後一度でも休んだ子は一斉試合に出さない!」と宣言。娘たちの目の色は変わり、「今日、休む~」と言わなくなった。社会の厳しさを意外なところで学ばせてもらった。
 

土曜日の試合は、絶叫の嵐
 試合中、お母さんたちの応援は凄まじい。接戦ともなると興奮は最高潮!味方がレイアップシュートを許すと、「ゲット、リバウンド!ドンレッゼム●×▽◆!」 叱咤の嵐で後半聞き取れず。相手パスをインタセプトすると、「ゴー!イーグルス!ネバーメイクゼム◇▼○×!」。日頃の子育てストレスをここで解消か?僕も同調し、叫びっぱなしだ。
 
 あんまりうるさいので、審判が試合中のボールを取り上げたことがあった。応援席の前まで来て「今度うるさいと負けにするよ」と仁王立ち。子供の前で怒られ、大人全員、しょんぼり。そういえば、わが校の体育館には大きな張り紙がある。
「Remember… the game is for the kids」
(忘れるな!この試合は子供のもの。親のものじゃないんだよ!) 
 
 長男のチームがサッカーの最終戦まで進出したとき。PK戦で競り負け、小学4年の男子全員、グラウンドで大いにくやし泣き。翌学期、バスケの2部リーグで優勝して今度は嬉し泣き。男の友情が一気に深まったようだ。(Y)

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