津谷祐司 公式サイト

サンフランシスコなう


サンフラン市内でAirB&B泊

2016/08/22

 

AirB&B 泊で他人の生活や楽しみ方を追体験

2週間の予定でサンフランに滞在している。宿は住宅街の一軒家。AirBnBで見つけた。清潔好きの僕としてはホテルのほうがいいのだが、そもそも家族5人で泊まれるホテルの部屋は少なく、空きがない。だから、奈々子が提案してきた「他人の家・丸借りプラン」にしぶしぶ同意した。しかし、泊まってみると、案外、他人の生活を追体験することも面白い。住宅には、住人の生き方や生活状況が反映されることを再認識した。
 
 

アメリカ人の楽しみは週末の自宅パーティー。住宅もそれに合わせ最適化

アメリカの子育て家庭は、週末になると、2、3の家族が食べ物や飲み物を持ち寄って誰かのお宅で過ごす。派手なパーティーを行うというわけではなく、休日に手抜きをし、かつ楽しく過ごすためだ。大勢での食事は非日常を感じさせるし、後始末も皆でやればあっという間だ。何より、子供が子供同士で遊ぶので手がかからない。滞米中、ウチもこのやり方に慣れ、レストランでの集いはやらなくなった。
 

今回借りたのは、夫婦と中学生の一人娘が暮らす家で、間取りや設備はやはり週末パーティー用に最適化されていた。邸内最大の空間は、二間続きのリビングルームで大きなテーブルやソファがセットされている。裏庭には、バーベキュー用コンロ、野外テーブルの他、ハンモックもあった。これなら数家族が訪れても問題ない。思い思いのグループが、あちこちで談笑する姿が目に浮かぶ。


そして、地階で小さなビール醸造機を発見。地ビールならぬ自ビールを作って振る舞うのだろう。小居間には70インチのテレビとWiiが完備されている。子供対策もばっちりだ。
 

一方で家族用のスペースはコンパクトでキッチン横に小さなテーブルが置いてあるが、平日の朝食や夕食はここで済ますのだろう。料理を運ぶ導線が最短でいい。平日は効率的に、週末は大空間でゆったりと、というのが設計思想だ。
我々も早速、サンフラン時代の友人家族を何組か招いた。大人同士のくつろぎも子供同士の遊びも、しっくりこの間取りに収まった。ホテルだとこうはいかなかっただろう。



 
 

うちの実家は町の繊維工場の経営者が暮らす間取り

思えば、僕の福井の実家は、明治生まれの祖父が建てたのだが、町工場の経営者としての考え方が色濃く映し出されていた。家屋は工場敷地の一角にあり、会社の行事や法事があると大勢訪ねてくるので、大人数用のしつらえであった。座敷は十畳間が二間続きで、庭園の樹木が望める。正月にはそこに小さな膳がズラっと並んだ。台所にある土間には竈が3穴あり、大みそかには薪でもち米が炊かれ、近所の人が集まって庭で餅つき大会が開かれた。ちなみに、大学生のころまでは薪風呂だった。
 
しかし、商売が厳しくなり子供たちが独立していくと、客間は使われなくなり、父母は大きな屋敷を持て余すようになった。工場の倒産後は、債権者に土地を持っていかれ、庭の大きさも半分になった。
 
 

歴史ある遠くの街で、生活ギャップを感じてみたい

家の丸借りを、違う街でもやってみたい気持ちがある。ただし、日本国内だと今の生活と大差なくつまらない。かといってインドやモンゴルで泊まる勇気はない。ギリシャ、北欧、エスキモーあたりを希望します。(Y)

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