津谷祐司 公式サイト

サンフランシスコなう


サンディエゴ コミ・コン 2014

2014/08/05

 
7月24日から4日間、サンディエゴ・コンベンション・センターで「コミ・コン」が開催され、24時間で行って帰ってきた。7月は3つのコンベンションを観たことになる。
 
コミ・コンは、バットマンやトランスフォーマーなどアメコミがテーマの、
ユーザー向け一大イベント。

巨大スクリーンが吊り下げられた展示ホールは大賑わいで、カンファレンスの方もアメコミ映画の俳優が登壇するものは長蛇の列となる。この4日間、サンディエゴの街全体がアメコミ一色だった。
 

コミコン1

     
展示ホールの中心は、マーベルとDCコミックの2大アメコミ出版社。ついで、マテル、ハスブロ、レゴといった玩具会社。また、特撮制作のルーカスフィルムも大きな面積を取っていた。
 
映画配給会社はほとんど出展しておらず、ワーナー1社がホールの片隅で地味にブースを出しているのみ。最近のアメコミというと、アベンジャーズ、スパイダーマン、トランスフォーマーと、一連の映画がビックビジネスになっていることを思えば、不思議なことだ。
 
3種のバットスーツが実物展示されていて見入ってしまった。ワーナーが作ったバットマン映画の主演は、マイケル・キートン、ヴァル・キルマー、クリスチャン・ベイルの3人で、彼らが着用したものが比較されていた。奇妙な事に、この展示は、ワーナーではなく、DCコミックのブースにあった。イベントテーマが映画ではなくコミックだからか、キャラの著作権が出版社に所属するからか?いずれにしても、このイベントの主役は出版物としてのアメコミなのだ。
 
ボルテージの米国展開は、次の段階に
コンテンツを米国でヒットさせるには、ユーザー層の把握が第一歩だ。とはいえ、この手のイベントは米国に20程もあり、客層は微妙に違う。僕は30年間、あれこれ100回近く視察してきたし、今年7月のアニメ・エキスポでは、ボルテージとして初めて出展もした。しかし、ユーザー層を見極めている自信はない。
 
一見同じオタク層のようだが、例えば、アメコミ好きとジャパンアニメ好きでは、明らかに客層が違う。属性的には、前者は20・30代の男性、後者は10・20代の女性が中心だ。しかし、彼らの嗜好性を深く理解することは、日本人には難しい。アメリカンドリーム思想が背景のヒーローと、異国のチーム型キャラ。なぜ、それらに感情移入するのか?なぜ、どちらか片方なのか?ユーザーの生活の立ち位置が決め手の気がするが、イベントの度、ヒントをつかもうとユーザーの表情を見詰めている。アメリカは多民族国家だ。アメリカ人が、渋谷と原宿の違いを理解するより難しいかもしれない。
 
ボルテージは、どの層を狙い、どうアプローチすべきか? ストーリー型ネットゲームという独自コンテンツの米国展開を始めて2年。いよいよ次の段階に入るべき時期だ。(Y)
 
米国の主なコンテンツ系コンベンション
図2

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