津谷祐司 公式サイト

クリエイティブ起業のすすめ


シリコンバレーで学ぶ② トップダウン型のリーダーシップ

2016/05/02


◆トップダウンは起業時に威力。ボトムアップは改善時に効果

 トップダウンとボトムアップ、双方にいい点、悪い点があるが、新規事業を起こすケースに関しては、トップダウン型のリーダーシップが圧倒的に有利だ。
 

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 既存ビジネスの場合、具体的な形がすでにあり、現場担当者には様々な知見がたまっている。日々ユーザーの反応に対面し、試行錯誤を続けているのだから当然だ。課題にぶち当たっても、蓄積を生かし、知恵を出し合えば解決できるものが多い。集団的なボトムアップ組織は、商品を世の中に出した後、改善しながら継続していくビジネスに向いている。
 

 しかし、まだ形のないビジネスをつくろうとする場合は異なる。大勢でむやみに議論しても時間の無駄だ。何が正しいのか誰も分らないから、結論に至れず、仮説が積み上がるだけ。だから、誰か一人の決定者を立てるべきなのだ。完成形のイメージを明確に持ち、かつ、スタッフを引っ張る胆力を持っている人物がいい。日本でも、成功しているベンチャーはソフトバンクを筆頭に強いリーダーによるトップダウン型が多い。
 
 ジョブズやザッカーバーグなど、有名どころの起業家は、市場の淘汰を何度も潜り抜ける過程でトップダウン型のリーダーシップを磨いてきた。では、組織内で新規事業を創出する場合、どうやってリーダーを定めるか? 組織内で人物評定したうえで、一定期間任せてみるしかないだろう。そして、成果の度合いとチームの士気によって、リーダーの力量を判断する。
 
 注意すべきは、独裁的なトップダウンだと、商品が独りよがりになりがちなこと。有名な話がアップルのiPad開発だ。ジョブズはiPhoneは3.5インチ、iPadは9.7インチ以上と信じていて、7インチのタブレットなどあり得ないと公言していた。しかし彼亡き後、新体制のアップルは7.9インチのipad Miniを発売し、成功させた。
 

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