シリコンバレーで学ぶ① キャリア自力開拓の精神
##column
シリコンバレーは意外と広い。現地にオフィスを構えるなら……
“シリコンバレー”と呼ばれる一帯には、大きく分けて2つのビジネスエリアが存在している。フィッシャーマンズワーフなど観光資源の多いサンフランシスコと、スタンフォード大学などのあるサンノゼだ。日本に例えるなら、前者は新宿・渋谷・六本木。比較的独身者が多く、繁華街が発達しているイメージ。Twitter、Zynga、UberなどのITサービスやエンタメ関連のオフィスが集まり、「エンタメ企業の聖地」といわれている。一方、後者は、神奈川の厚木といったところ。ファミリーで大きな一軒家に住み、車で通勤する落ち着いた雰囲気だ。AppleやGoogleなどの企業が集まり、「OS・ハードウエア企業の聖地」といわれている。
僕は最初、サンノゼのほうに憧れを抱き、このあたりにオフィスを構えたいと考えていた。ところが、実際に訪れてみて感じたのは、「ここかぁ……」という気が抜けてしまうようなだだっ広い田舎。のんびりとした雰囲気と、一面に広がる山々を眺め、あらためて気づいた。ゲームをつくるなら、遊びに敏感な人たちを近くで見ていなければ、と。
そんなプロセスを経て、サンフランシスコにオフィスを構えることにした。ちなみに最近は、サンフランシスコのなかでもSOMA地区というベイエリアが注目されている。日本に例えるなら、お台場のようなイメージ。元々は港湾や倉庫などの産業用地だったのが再開発され、高層ビルやマンションが建ち、新しい企業が集まってきている。
シリコンバレーに身を置いていると、世界中から大量のお金が流れ込んでいることを感じる。期待の表れだろう。当社も、規模がもっと大きくなったら、サンノゼ方面への移転を検討するかもしれない。
構成/菊池徳行・馬島利花(ハイキックス)